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5月19日(月)、日本学園(来年より明治大学付属世田谷)へ行ってきました。
京王線明大前駅から徒歩5分。駅の北側には明治大学和泉キャンパスがあり、日本学園は駅からは南側に位置します。
当日はあいにくの曇り空。歴史もあり、国登録有形文化財にも指定されている一号館は、晴れた日にはこんな感じです。(2024年訪問時に撮影)
明治大学の付属校になることが明らかになった2023年から、今回で3回目の訪問になります。
訪問ごとに校内の雰囲気に変化が感じられるのは興味深いところ。昨年は、入学生徒数増加による校内の活性化に加えて、先生方の表情も明らかに活力にあふれ、自信に満ちた話しぶりになっていました。今年は、若い先生方の数も増え、ネイティブの先生も受付での役割分担をされていました。なお、現段階での女性教員の割合は約2割とのこと。
現在、新校舎への建て替えが進行中です。敷地面積は約2万6千平方メートル。東京ドーム(4万7千平方メートル)、明大明治(約4万平方メートル)よりは狭いですが、23区内としては一般的な広さといえます。グラウンドもまずまずの広さ。
ちなみに、八王子駅付近からスクールバスで30分の明大八王子の敷地面積は約7万坪(約23万平方メートル)。教室やグラウンドをはじめとした各種施設に広さの余裕があり、敷地内には鹿も出没する「森の中の学園」です。
ここで、明治大学の共学付属校の世田谷・明治・八王子の面積の話題を提示したのは、「学校に求める要素」の一部に課外活動、部活動があるからです。現在の日本学園は高校のスポーツ推薦もあったことで体育系の部活がさかんなようですが、付属化、共学化による生徒数増加は、学校内施設の使用に影響を与えることが考えられます。体育館やグラウンドを曜日や時間で交代して使用するなどといったことです。活動日数にも影響するでしょうし、部活にも重きを置く学校選択を行う場合、注意しておきたい点です。
明治大の付属になるとはいえ、教育方針を完全転換するのではなく、従来の日本学園の取り組みを生かしつつ、明治の教育にアプローチさせるようです。その根幹をなすのが「創発学」。2年間プログラム研究を行い、2005年にスタート、20年の歴史を持つ取り組みです。
「人は得意な道で成長すればよい」創立者・杉浦重剛の言葉を元に、「創発学」は、自己実現のために、自分の道を発見し、創造し、発信するというコンセプトでも活動を行います。
フィールドワークやプレゼンテーションを繰り返し、それを通して自分の興味や得意を探っていく。また、他の生徒のプレゼンに耳を傾けることは、他者理解や多様性の認識につながります。コミュニケーション能力も高まるでしょう。ひいては、自己肯定感を高めることにもつながると思われます。
また、その客観的な評価として、学校外部のアセスメントを併用し、SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング=社会性や感情を育てること)、EQ(エモーショナル・インテリジェンス・クオーシェント=心の知能指数)、GRIT(グリット=やり抜く力)といった「非認知能力」を可視化することも行っているそうです。これらの取り組みは、明治大学側にも評価されているとのこと。
「明治大学への進学率70%を目指す」というのが、現段階で学校側が明らかにしていることです。ただ、まだ大学側とは協議中ということで、現実的で具体的な数字は明らかではありません。
明治大学への進学を担保する要件としては、次の4点が挙がっています。
①出席日数 |
②全教科の成績評定 |
③行動評価(問題行動を起こしていないこと) |
④英語のスコア |
①から③は普通に学校生活を送れれば、ほぼ問題にはならないでしょう。②と④で選べる学部が決まるのは他の大学付属校も同様ですね。
④英語のスコアは、具体的には、高校3年の卒業時に英検2級を取得しているということでした。ほかに、TOEFL Juniorや模試の成績等でも代替が可能とのこと。
個人の取り組みにもよりますが、英検2級を高校時に取得することは、ある程度の学習力を持つ子どもが集まった中高一貫校で勉強している生徒にとっては高すぎるハードルにはならないと思います。明大明治、明大八王子では、準1級や1級を取得する生徒もいます。(参考までに、明治の付属校ではありませんが、同じ世田谷区にある佼成女子中高ではこの5年間の英検準1級の取得者の合計は177名、1級も30名以上だそうです。この学校はイマージョン教育や「英検まつり」などの取り組みで英語検定に強いことで有名ですが、小規模校であることと、中学受験・高校受験時の子どもたちの入学時の成績を考えると驚異的な実績です。)
明大世田谷では、中学入試組が高校へ入学する時の基準として、英検準2級の一次合格までが義務づけられています。こちらは少々やっかいですが、英検の受検機会は年3回であること、公開模試(日能研)の結果偏差値が1~3回入試の平均で53前後であることを考え合わせると、基準達成はそれほど難しくないと思います。明大明治も2013年に共学化したことで飛躍的に英語のレベルが上がったことを考えると、明大世田谷においても共学化による「化学反応」は中学入試組にとっては男女問わずボトムラインの引き上げに作用すると思います。
そういった意味では、現段階では「明治大学への進学を70%に」という目標も、近い将来には上方修正されるのではないかと思われます。
2025年入試の実質倍率は以下の通りです。なお、( )内の数字は2024年入試における実質倍率です。
2月1日 | 4.1(3.0) |
2月4日 | 7.7(6.4) |
2月5日 | 11.3(8.3) |
2026年入試は、3回目の日程がなくなり、2回入試になります。
第1回 2月1日(日) | 募集:70名(男子約35名、女子約35名) |
第2回 2月4日(水) | 募集:50名(男子約25名、女子約25名) |
男女別定員になるので、男女で合格最低点は異なることになります。
前述しましたが、日能研公開模試は3回ある入試の80%合格ライン(R4)が53~54でした。これは2025年入試の男子の入試結果を算出したもの。同様に四谷大塚の第1回合不合判定テストの資料にある偏差値も2025年入試を元にしたもので、80%合格ラインは54~55。両社ともこれから6年生の志望動向を踏まえて「予想偏差値」を策定していきます。
男子にとっては、定員が「縮小」することになります共学で、男女別定員がある付属校の場合、女子の方が志望者のレベルが上がる傾向があります。
現在の明大明治と同じように、女の子にとっては難関校になりそうですね。